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公演に向けてのメッセージ!!
エマニュエル・ジラール(チェロ)& 神谷未穂(ヴァイオリン)
『無伴奏の世界』を語る
2026.2.17up
公演データ
「第5回 無伴奏の世界 エマニュエル・ジラール(チェロ)& 神谷未穂(ヴァイオリン)」
2026年5月9日(土)13時開演 Hakuju Hall(東京・富ヶ谷)
全席指定(1部・2部通し)¥5,500 学生¥3,300
演奏曲目
第1部 エマニュエル・ジラール(チェロ)
J.S.バッハ/無伴奏組曲 第4番 変ホ長調 BWV1010
コダーイ/無伴奏チェロソナタ Op.8
第2部 神谷未穂(ヴァイオリン)
J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンパルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006
バルトーク/無伴奏ヴァイオリンソナタ Sz117 BB124
エマニュエル・ジラール
私がバッハの無伴奏組曲に初めて取り組んだのは10歳の時で、たちまちその作品の虜になりました。第1番から第6番まで徐々に難易度が上がり、教育的にも優れたこれらの作品は、これまでの私の音楽人生の中で大きな支えとなっています。独学でヴィオラ・ダ・ガンバを学び多くの作品に触れてから後は、ガンバ、フランス音楽、そして組曲の構成そのものが、バッハの無伴奏組曲誕生のインスピレーションの源泉であったことを理解しました。
一方、コダーイは独学でチェロを学び、このソナタではギターやツィンバロン、バグパイプ、アコーディオンに模した音を創り出す独自の演奏技法を生み出し、数え切れない新たな技術的難題を取り入れながらチェロのソロ・レパートリーを前例のないレベルにまで引き上げました。
2011年に日本に移住した後、これらの無伴奏主要作品をCD録音する構想が具体化し、2013年と2015年に実現し発表いたしました。
バッハとコダーイは、それぞれが合唱、声楽の作曲手法に長け、演奏していると、まるで楽器の中に自分の声を見つけたかのように感じることがあります。フランスのダンス、ドイツの対位法、そしてハンガリーのヴェルブンコのような踊り、イタリアのカンターレを思い起こす旋律は、チェロとともに成長した青春時代と変わらず、今もなお私を魅了し続けています。
『無伴奏の世界』公演では、東欧、西洋を巡る旅を私とご一緒にお楽しみ頂きたいと思っています。
神谷未穂
デビューから今年で29年。無伴奏作品のみのプログラムで舞台に立つのは実は今回が初めての経験です。
仙台フィル、千葉響、横浜シンフォニエッタ、3つのオーケストラのコンサートマスター、室内楽ではアンサンブル・マレッラ、デュオ・プリマ、そして3つの常設弦楽四重奏で、指揮者や仲間たちと共に音楽創りの日々を過ごす私にとって、たった一人で舞台に立つのは国際コンクールの予選以来、何十年振りになるのだろうか、とふと思い返しています。
去る2月1日、千葉響創立40周年記念コンサートで、ラヴェルのツィガーヌをソリストとして演奏しました。冒頭から約4分半に及ぶヴァイオリン無伴奏の世界。静粛な空気の中、会場の響きを強く感じ、独特の緊張感に包まれながらも、お客様、後ろに座る同僚、指揮者と無言の対話を楽しむ自分を感じていました。
仙台フィルのコンマスに就任した翌年の2011年、東日本大震災が起こり、私たちは公演のゲネプロ(当日リハーサル)開始直前に舞台上で被災しました。
余震の恐怖をグッと押さえ込みながら、我が家に避難した人達の食料の調達、情報収集等で動き回り、ヴァイオリンケースを開けることさえできない日が続きました。5日後、ふと我に返ったようにヴァイオリンを取り出し最初に奏でたのがツィガーヌの冒頭無伴奏の部分。なぜか、どうしてもこの曲が弾きたくなったのです。曲が持つ土臭さ、しかし洗練された音楽に触れたことで、生き返ったように身体中にエネルギーが湧き起こり、その瞬間に「私は音楽の力で被災地を復興したい!」と強く決意したのでした。
『無伴奏の世界』公演で演奏するバルトークの作品も、彼のライフワークともなっていた民俗音楽の要素が多く取り入れられています。そしてそれがバッハの無伴奏ソナタから得たインスピレーションと見事に融合しています。
今回、たった一人で舞台に立ち、無伴奏の最高峰と感じているバッハとバルトークの作品を演奏します。私自身、舞台上で新たなパワーを享受できることを期待しつつ、客席の皆様と作品を共有し、音楽のパワーで会場を満たすことできればと心から願っています。





