
J.S.バッハ パルティータ全曲演奏会 野平一郎(ピアノ)
人間をかけた、音楽家をかけた企て──
日時 |
2019年9月13日(金)1部開演 18時30分、2部開演 19時50分 |
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会場 | 浜離宮朝日ホール(東京・築地) |
料金 | 全席指定 1部・2部通し券:一般¥5,000、学生¥3,000 2部のみ:一般¥3,000、学生¥2,000 |
出演 |
ピアノ:野平一郎 |
曲目 |
1部:18時30分開演 J.S.バッハ/パルティータ 第1番、第2番、第3番 BWV825〜827 2部:19時50分開演 J.S.バッハ/パルティータ 第4番、第5番、第6番 BWV828〜830 |
[主催] 朝日新聞社 ミリオンコンサート協会 [チケット取扱い] 朝日ホールチケットセンター TEL.03-3267-9990 ミリオンチケット(オンライン・チケットサービス) チケットぴあ TEL.0570-02-9999 http://t.pia,jp Pコード(1部・2部通し券)152-147 Pコード(2部のみ券)152-168 [コンサートマネージメント] ミリオンコンサート協会 TEL.03-3501-5638 |
人間をかけた、音楽家をかけた企て────野平一郎
バッハのパルティータ全6曲。これはバッハが長年作曲してきた「組曲」の最高峰であり、到達点である。1731年、バッハはすでに46歳だったが、それまでにほぼ5年かけて作曲・出版してきたものをまとめてこの6曲を「作品1」とした。バッハとしてもよほどの自信作だったのだろう。長かった作曲家としての道のりの中で、初めて出版を自らプロデュースしようとしたのである。クラヴィアのためだけでも、すでに「イギリス組曲」と「フランス組曲」がそれぞれ6曲セットで書かれ、他の楽器、無伴奏チェロやヴァイオリン、フルートやリュートなどのためにもおびただしい数の組曲ガ書かれ、ついには4曲の管弦楽組曲も作られたが、こうしたバッハの組曲作曲経験の集大成である。アルマンド、クーラント(あるいはコレンテ)、サラバンド、ジーグと西欧諸国の舞踏を集め、さらにバッハ曰く「典雅な(ギャラントな)」舞曲を加えている。そのバラエティと言ったらどうだろう。そして「平均律曲集」や「インヴェンション」などで培った体位法的な書式や「フーガ」が、プレリュードやオーヴァチュアで花開く。正にバッハの全魅力がここに詰まっていると言っても過言ではない。
6曲はいずれも個性的な作品で、お互いに似たところが皆無である。管弦楽を思わせる作品があったかと思えば、室内楽的な趣を見せる曲があり、さらにはクラヴィア(鍵盤楽器)で初めて可能となるアイディアに満ちた作品もある。情熱的な作品もあればシリアスなもの、逆に諧謔的なもの等、音楽の性格の多様性も聴く者の心を捉えて離さない。
この6作品を一挙に演奏できることは、ピアニストにとって大いなる喜びではあるが、音楽家の質を問われる試練の場でもある。例えばバッハであれば「平均律曲集」全曲演奏や、晩年の「ゴルトベルク変奏曲」「フーガの技法」などの全曲演奏と比較できる、人間をかけた、音楽家をかけた企てなのである。
出演者プロフィール
■野平一郎(ピアノ) Ichiro Nodaira/Piano
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