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野平一郎〈ピアノ・作曲〉

Ichiro Nodaira〈Piano, Composer〉

野平一郎

 1953年生まれ。東京藝術大学、同大学院修士課程作曲科を修了後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に学ぶ。間宮芳生、永富正之、アンリエット・ピュイグ=ロジェ、ベッツィー・ジョラス、セルジュ・ニグ、ミシェル・フィリッポ他の諸氏に師事。作曲・ピアノ・指揮・プロデュース・教育など多方面にわたる活動をおこなう。

 ピアニストとしては内外のオーケストラにソリストとして出演する一方、多くの内外の名手たちと共演し、室内楽奏者としても活躍。古典から現代までそのレパートリーは幅広い。マヌリやベンジャミン、松平頼則等の作品を世界初演、またリゲティ、武満 徹作品他の日本初演を行なう。近年は指揮者としても活躍、コンチェルトの弾き振りを含め、自作初演でNHK交響楽団等を指揮する。

 100枚を超すCDをリリースし、その中にはベートーヴェンやモーツァルトのピアノ・ソナタ全集、武満 徹や湯浅譲二のピアノ作品全集、間宮芳生のオペラ「ニホンザル・スキトオリメ」、自作、演劇的組歌曲「悲歌集」などが含まれている。また東京シンフォニエッタの初代代表(1994-99)を務めた。

 150曲に及ぶ作品の中には、フランス文化庁、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、IRCAM、国立劇場からの委嘱作品があり、近作では「祝典序曲」(ケント・ナガノ/モントリオール響)、『触知できない領域~チェロとピアノのための~』(チェロ:堤 剛)、『管弦楽のための「時の歪み」』(杉山洋一/東京都響)、NHK交響楽団との3回に亘る新作発表のプロジェクト「シズオカ・トリロジーⅠ“記憶と対話”」「同Ⅱ“終わりなき旅”」「同Ⅲ “瞬間と永遠の歌”」(野平一郎指揮/NHK交響楽団 静岡グランシップ)など、いずれの作品も圧倒的な成功を収めた。

 第13回中島健蔵音楽賞(1995)、第44回、第61回尾高賞、芸術選奨文部大臣新人賞、第11回京都音楽賞実践部門賞(1996)、第35回サントリー音楽賞(2004)、第55回芸術選奨文部科学大臣賞(2005)、日本芸術院賞(2018)、第52回ENEOS音楽賞洋楽部門本賞(2022)を受賞。佐川吉男音楽賞(2019)を芥川也寸志メモリアル・オーケストラ・ニッポニカのミュージカル・アドヴァイザーとして受賞。同オーケストラを指揮した、第38回演奏会「松村禎三交響作品展」が、第21回佐治敬三賞(2021)を受賞。2012年春、紫綬褒章を受章。

 現在、静岡音楽館AOI芸術監督、東京文化会館音楽監督。日本フォーレ協会会長。仙台国際音楽コンクールピアノ部門審査委員長。モナコ・ピエール皇太子財団音楽評議員。日本芸術院会員。東京藝術大学名誉教授、東京音楽大学学長。