野平一郎〈ピアノ・作曲〉
Ichiro Nodaira〈Piano, Composer〉
1953年生まれ。東京藝術大学、同大学院修士課程作曲科を修了後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に学ぶ。作曲、ピアノ、指揮、プロデュース、教育などの多方面にわたる活動を行う。
ピアニストとしては内外の主要オーケストラにソリストとして出演する一方、多くの国際的名手たちと共演し、室内楽奏者としても活躍。古典から現代までレパートリーは幅広い。マヌリやベンジャミン、松平頼則の作品を世界初演、またリゲティ、武満 徹作品他の日本初演を行なう。
80曲以上に及ぶ作品の中には、フランス文化庁、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、IRCAM、ベルリン・ドイツ交響楽団、国立劇場その他からの委嘱作品がある。
2002年に東京でエレキギター協奏曲「炎の弦」をスティーヴ・ヴァイのソロで、05年にはドイツでオペラ「マドルガーダ」をケント・ナガノ指揮で、06年にはチェロとオーケストラのための「響きの連鎖」を堤 剛のソロで、また12年にはパリでサクソフォンとコンピュータのための「息の道」をクロード・ドラングルにより初演。13年にはモスクワで開催された「ザ・シーズンズ国際音楽祭」、14年には台北国際現代音楽祭に招聘され、多くの作品が演奏された。
16年2月にはモントリオール交響楽団委嘱作品「祝典序曲」がケント・ナガノの指揮で世界初演され、大成功を収める。同年6月にはサントリーホール委嘱による『触知できない領域~チェロとピアノのための~』、10月にはサントリー芸術財団主催「作曲家の個展2016」において、『管弦楽のための「時の歪み」』、西村 朗氏との共作による『ピアノ協奏曲〈クロッシングA・I〉』が立て続けに初演され、いずれも圧倒的な成功を収めた。16年よりオーケストラ・ニッポニカ ミュージック・アドヴァイザーを務める。
第13回中島健蔵音楽賞、芸術選奨文部大臣新人賞、第11回京都音楽賞実践部門賞、第35回サントリー音楽賞、第55回芸術選奨文部科学大臣賞、第44回、第61回尾高賞を受賞。12年には紫綬褒章を受章。
現在、静岡音楽館AOI芸術監督。東京藝術大学作曲科教授。