野平一郎 サクソフォン作品個展
─クロード・ドゥラングルを招いて─
日時 |
2023年2月6日(月)19時開演(18時30分開場) |
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会場 | 浜離宮朝日ホール(東京・築地) |
料金 | 全席自由 ¥5,000、学生¥2,000 |
曲目 |
アラベスク第3番 アルト・サクソフォンとピアノのために(1981) サクソフォン四重奏曲(1985) 舵手の書 アルト・サクソフォンとメゾ・ソプラノのための(2003) 一人ぼっち(2013) フォリア・コン・ファンタジア(2021) 日本初演/クロード・ドゥラングル委嘱作品 息の道 4つのサクソフォンを演奏する1人のサクソフォン奏者と電子音響のための(2012/2021)改訂版世界初演 |
出演 |
サクソフォン:クロード・ドゥラングル ピアノ:オディール・ドゥラングル メゾ・ソプラノ:湯川亜矢子 電子音響:ホセ・ミゲル・フェルナンデス 音響:片桐健順 サクソフォン四重奏 ソプラノ・サクソフォン:大石将紀 アルト・サクソフォン:江川良子 テナー・サクソフォン:貝沼拓実 バリトン・サクソフォン:本堂 誠 |
[チケット取扱い] 朝日ホールチケットセンター TEL.03-3267-9990 e+イープラス https://eplus.jp/ チケットびあ https://t.pia.jp/(Pコード230163) ミリオンコンサート協会 TEL.03-3501-5638 ミリオンチケット(オンライン・チケットサービス) ※ミリオンチケットでのお申込みはセブンイレブンでのお引き取りとなります。 [マネージメント] ミリオンコンサート協会 TEL.03-3501-5638 |
サクソフォーン作品個展に寄せて
高校時代からよくジャズを聴いていたので、サックスはむしろジャズの楽器だと思っていた私にとって、フランスで初めて聴いたクラシックのサックスの音色は衝撃的であり、すぐに虜となった。
そんな中、パリで出会ったのがクロード・ドゥラングルで、唯一無二の友となってそれから40年以上の月日が経過した。この間、幸運なことに私の最初のサックスの作品である「アラベスク3」の決定稿の初演から始まり、私のほとんどすべての作品を彼が委嘱してくれたり、初演してくれることとなった。今回の個展は彼を招き、そのほとんどの作品を並べて演奏する。
なお本日のプログラム以外にも、サックスを使った作品としては室内オーケストラとの「網目模様」、ヴァイオリンとの二重協奏曲「2つの顔」、ピアノとの二重協奏曲「断続する叫び」などがあるが、今回は編成上の都合で演奏できなかった。
クロードご本人を始め、ピアニストである奥様のオディール・ドゥラングル、大活躍中のサキソフォニスト大石将紀率いるカルテット、パリ在住のメゾ・ソプラノ湯川亜矢子、そして電子音響のホセ・ミゲル・フェルナンデスという、私にとって最強の布陣が協力してくださることとなり、今回の企画が実現した。ここに心からの謝意を表したい。
作曲家にとって、1つの楽器の作品だけで個展をするのは冒険である。1人が1つの楽器に対して持てる想像力というのは有限だと思うし、6つの別の時代の作品を聴いていただいても、万年同じことの繰り返しになりかねないからである。40年の間にバラバラに作曲されたこれらの作品の1つ1つが、個性を持って生き生きと響いてくれることを期待していると共に、それを実現可能にしてくれたクロード・ドゥラングルの素晴らしい演奏と友情に改めて感謝したい。
野平 一郎
作曲者プロフィール
■ 野平一郎(作曲家・ピアニスト) Ichiro Nodaira/Composer・Pianist
プロフィールはこちらへ。出演者プロフィール
■ クロード・ドゥラングル(サクソフォン) Claude Delangle/Saxophone
パリ国立高等音楽院で学び、サクソフォンと室内楽の両方で1等賞を受賞。現在、ソリスト、研究者、教育者として第一線で活動を行う。BBC響、フランス放送管、ケルン放送響、ベルリン・フィルなど世界の主要オーケストラにソリストとして共演し、BIS、ドイツ・グラモフォン、ハルモニア・ムンディ、エラートなどのレーベルでの録音に参加、クラシックと現代音楽の両分野での世界的なサクソフォンの名匠として、新しい音楽の地平を切り開いている。1988年にパリ国立高等音楽院(CNSMDP)の教授に就任、今日世界で最も権威のあるサクソフォンクラスとなった。
1981年以来、野平一郎の作品を度々初演している。
■ オディール・ドゥラングル(ピアノ) Odile Catelin-Delangle/Piano
オディール・ドゥラングル(ピアノ) Odile Catelin-Delangle/Piano パリ・エコール・ノルマル音楽院で演奏家資格課程を満場一致で取得。その後、数々の国際コンクールに入賞。特に室内楽の分野では多くの演奏家と共演を重ねる。そのレパートリーは膨大で、特に20世紀の音楽の分野では80に及ぶ作品の初演に参加している。夫であるサックス奏者のクロード・ドゥラングルとは数多くのツアーを行い、マスタークラスにも参加。またBISに多くのCD録音を残している。現在、パリ・エコール・ノルマル音楽院において後進の指導にあたっている。
■ 湯川亜也子(メゾ・ソプラノ) Ayako Yukawa/Mezzo-Soprano
国立音楽大学大学院博士後期課程修了。パリ地方音楽院声楽科及びバロックオベラ科修了。令和2年度文化庁新進芸術家海外研修員。国内外の数々の声楽コンクールにおいて上位入賞。レパートリーは古楽から現代音楽まで多岐に亘る。レ・ゼポペ、ル・コンセール・スピリチュエル、ル・パルコン等のアンサンブル団体でソリスト及び声楽メンバーとして演奏会、録音に多数携わる他、仏国営ラジオ放送、主要音楽祭等でソリストを務める。■ ホセ・ミゲル・フェルナンデス(電子音響) José Miguel Fernández/Electronics
チリ大学、ブエノスアイレスの音楽創造研究所、リヨン国立高等音楽院、IRCAMで学ぶ。IRCAM、GRAME、ラ・ミューズ・アン・シルキュイ、エクスペリメンタルスタジオ、カールスルーエ・アート・アンド・メディア・センター(ZKM)などで、さまざまな作曲家のライブエレクトロニクス作品に携わる。GRAME/Ensemble Orchestral Contemporain国際作曲コンクール優勝、ギガヘルツ電子音楽賞(ZKM/エクスペリメンタルスタジオ)受賞。■ 片桐健順(音響) Takenori Katagiri/Sound direction
サクソフォン四重奏 Saxophone Quartet
■ 大石将紀(ソプラノ・サクソフォン)
東京藝術大学卒業、同大学院修了後、パリ国立高等音楽院を最優秀で卒業。国内外で音楽祭の出演やリサイタルを開催する。ラジオ、テレビ出演、TVCM録音、(一財)地域創造の支援アーティストとして全国でアウトリーチを展開する。グループ「東京現音計画」で第13回佐治敬三賞、CD「SMOKE」で令和元年度文化庁芸術祭優秀賞受賞。現在大阪音楽大学特任准教授、東京藝術大学、洗足学園音楽大学講師、エリザベト音楽大学特別講師。
■ 江川良子(アルト・サクソフォン)
東京藝術大学卒業、同大学院修了。2003年ノナカ・サクソフォーン・コンクール第2位。ソロ、室内楽やオーケストラ、吹奏楽での活動の他、様々なアンサンブルのメンバーとして、国内外でコンサート、音楽祭への出演、CMやレコーディングに参加。多様な楽器とのデュオ・リサイタルを企画・プロデュースし、アレンジや委嘱作品を含めたサクソフォンのレパートリーの開拓に力を注いでいる。洗足学園音楽大学講師。セルマーアーティスト。
■ 貝沼拓実(テナー・サクソフォン)
東京藝術大学首席卒業、同大学院修了。安宅賞、アカンサス音楽賞受賞。第22回日本管打楽器コンクール第2位、第4回アドルフ・サックス国際コンクール(ベルギー・ディナン)第3位入賞。クローバー・サクソフォン・クヮルテットとしてCD「Precious」(レコード芸術誌特選盤)他をリリース。シエナ・ウインド・オーケストラ・テナー・サクソフォン奏者。洗足学園音楽大学、尚美ミュージックカレッジ専門学校において後進の指導にもあたる。
■ 本堂 誠(バリトン・サクソフォン)
東京藝術大学卒業。同大学院在籍中に渡仏、パリ国立高等音楽院を最優秀で修了。ソリストとして3つの国際コンクールで優勝、第34回日本管打楽器コンクール第1位。第9回大阪国際室内楽コンクール管楽部門第2位。ブルーオーロラサクソフォン・カルテットのバリトン奏者。CD「BARITONISM」(吹奏楽/管・打楽器特別部門第56回レコード・アカデミー賞受賞)他をリリース。東京藝術大学、東京音楽大学、洗足学園音楽大学講師。