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モルゴーア・クァルテット 第53回定期演奏会

人間の尊厳をそこに聴く。

日時 2022年6月24日(金)19時開演(18時15分開場)
会場 浜離宮朝日ホール(東京・築地)
料金 指定席(限定34席)¥4,500 一般(自由席)¥4,000、学生(自由席)¥2,000
※指定席はミリオンチケット(オンライン・チケットサービス)のみで取扱い。
出演

第1ヴァイオリン:荒井英治

第2ヴァイオリン:戸澤哲夫

ヴィオラ:小野富士

チェロ:藤森亮一

曲目

ジョン・ゾーン/コル・ニドレ(1996)

ジョセフ・アクロン/エレジー Op.62(1927)

エルネスト・ブロッホ/弦楽四重奏曲 第1番 B.40(1916)

[チケット取扱い]

  朝日ホールチケットセンター TEL.03-3267-9990

  e+(イープラス) https://eplus.jp

  ローソンチケット TEL.0570-000-407

  ミリオンコンサート協会 TEL.03-3501-5638

  ミリオンチケット(オンライン・チケットサービス)

   ※ミリオンチケットからのお申込みはセブンイレブンでのお引き取りとなります。

[コンサートマネージメント]

  ミリオンコンサート協会 TEL.03-3501-5638


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・終演後のご面会、プレゼントのお渡し、主催へのお預けは御遠慮願います。
・新型コロナウイルス感染症の拡大により公演が延期、中止となる場合がございます。
 中止の場合は、ホール及びミリオンコンサート協会のホームページで発表いたします。

★開催日の感染状況によって、感染症予防対策の水準が変わる可能性がございます。
 今後の感染状況によっての変更等につきましては何卒ご了承ください。

モルゴーア・クァルテット 第53回定期演奏会 人間の尊厳をそこに聴く。・チラシ

モルゴーア・クァルテット 第53回定期演奏会 人間の尊厳をそこに聴く。・チラシ

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 長いその歴史のなかで迫害を受け続けたユダヤ人たち。彼らは哀しみを湛えた音調を烈しくも美しく歌うことによって生き延びてきたのかもしれません。
 19世紀のメンデルスゾーンやマーラーは言うに及ばず、実におびただしい才能は、彼らの心が傷つけられようと、むしろそれをバネに偉大な足跡を刻んできたのは皆さんご承知の通りです。創作というものに魂のルーツを求めるならば、その旅は彼らの作品に何らかの形で結晶となって表れていることでしょう。

 また、20世紀初頭には、ユダヤ人であるハイフェッツ、エルマン、クライスラー、ハシッド、メニューイン、オイストラフ、ミルシテインなどを始めとする多数の偉大なヴァイオリニストを輩出しました。ここで注目すべきは、いま国際的大問題となっているウクライナは伝統として芸術に厚い国として知られています。芸術的な才能がある者は認められれば民族は問わず、ロシアの大都市での教育が受けられました。その結果、親はこぞって我が子にヴァイオリンを持たせたのでした。その結果、オデッサを中心とした地域でヴァイオリニストを始めとする音楽家が多数生まれたのです。

 もちろん、クレツマーという民衆音楽ではヴァイオリンは欠かせない楽器でした。こうして弦楽器とユダヤ人の強い結びつきは長い歴史があることを思い起こしていただきたいと思います。弦の響きは彼らの魂を揺さぶるものであることを。
 そして、かのショスタコーヴィチがいみじくも語った「この世でユダヤの音楽ほど感動させられるものはない」という言葉もここで謙虚に受け止めたいと思います。

 今回のモルゴーアはユダヤ人であるジョン・ゾーンとジョゼフ・アクロンの小品にエルネスト・ブロッホの大曲に挑みます。

 ゾーンは「マサダ」などでその過激な演奏で知られているインプロヴァイザー&コンポーザーです。この『コル・ニドレ』では極端にシンプルであるがゆえの訴える力の凄まじさを感じさせます。

 アクロンはかつて『ヘブライの旋律』が往年の巨匠たちで愛奏されたことのみで名が知られているヴァイオリニスト&作曲家です。シェーンベルクはその作曲の才能を高く評価し、世評の過小評価を嘆きました。自筆譜しか残されていないこの『エレジー』ですが、その激しくも生々しい筆致に魅了され、今回の演奏を決意しました!

 ブロッホはヴァイオリン小品である『ニーグン』という曲名を挙げれば、ピンと来るヴァイオリン・ファンの方もいらっしゃるかもしれませんが、それよりも『シェロモ』というチェロのための名曲でも広く知られているでしょう。彼は番号付の弦楽四重奏曲を5曲書いている他、小品などをいくつも作曲しており、弦への愛着の深さが伺えます。
 この第1番は実に60分を要する長尺ですが、20世紀の弦楽四重奏曲群の中で、正当に評価されているとは言えません。その復権のために、今のモルゴーアの渾身の力で演奏したいと思っています。お聴きになれば、モルゴーアのためにあるような曲だ・・・と納得されるでしょう。

 これら3曲に個人を超えた人間の人間であるがゆえの『根源的な祈りと叫び』を全身で受け止めてください。そしてその先にこそ「真の癒し」が待っているのかもしれません。

 重いです。特に今回の定期は重いです。
 では、その日まで、くれぐれもお身体を大切になさってください。

荒井英治



出演者プロフィール


荒井英治(第1ヴァイオリン) Eiji Arai/1st Violin

 元東京フィルハーモニー交響楽団 ソロコンサートマスター


戸澤哲夫(第2ヴァイオリン) Tetsuo Tozawa/2nd Violin

 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 コンサートマスター


小野富士(ヴィオラ) Onofuji/Viola

 元NHK交響楽団 次席ヴィオラ奏者


藤森亮一(チェロ) Ryoichi Fujimori/Violoncello

 NHK交響楽団 首席チェロ奏者


モルゴーア・クァルテット MORGAUA QUARTET/String Quartet


 MORGAUA QUARTET(モルゴーア・クァルテット)は、ショスタコーヴィチの残した15曲の弦楽四重奏曲を演奏するため、1992年秋に結成された弦楽四重奏団。翌'93年6月に第1回定期演奏会を開始。

 2001年1月の第14回定期演奏会でショスタコーヴィチの残した弦楽四重奏曲全15曲を完奏。

 同年4月、第2ヴァイオリンを青木高志から戸澤哲夫に交代。

 '01年11月からは「トリトン・アーツ・ネットワーク」との共催公演で《モルゴーア・クァルテット ショスタコーヴィチ・シリーズ》を5回に亘って行ない、'03年12月に2度目の完奏。

 '03年6月の第19回定期演奏会で、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲を完奏。

 '05年4月、マイスター・ミュージックから《ボロディン:弦楽四重奏曲集》を発売。

 '06年6月、第25回定期演奏会で、バルトークの弦楽四重奏曲全6曲を完奏。同年9月には「トリトン・アーツ・ネットワーク」との共催でショスタコーヴィチ生誕100周年記念弦楽四重奏曲全曲演奏会を行ない、3日間で全15曲を3度目の完奏。

 '08年11月、東京フィルハーモニー交響楽団 第761回サントリー定期シリーズに、マルティヌー作曲「弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲」のソリストとして招聘され、弦楽四重奏団としての高いクオリティを評価された。

 '09年1月の第30回定期演奏会で、ベートーヴェン中期弦楽四重奏曲を完奏。

 '12年6月、結成20周年記念ガラコンサート「20th Anniversary Morgaua Quartet GALA」を福島、東京、大阪で開催。'12年6月と'14年5月、そして'17年3月に日本コロムビアからリリースした、荒井英治編曲のプログレッシヴ・ロック・アルバム《21世紀の精神正常者たち》《原始心母の危機》《トリビュートロジー》により、ボーダーレスな弦楽四重奏団としての高い評価を受ける。

 ショスタコーヴィチ没後40年(2015)から生誕110年(2016)をつなぐ「ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲全15曲演奏会」を'15年大晦日から'16年元旦にかけて「横浜みなとみらいホール小ホール」で開催。瞠目のプログラムで多くの聴衆を集め、4度目の完奏。

 '17年6月、結成25周年記念コンサートを福島、東京(vol.1)で、'18年1月にvol.2を東京で開催。

 '98年1月、第10回「村松賞」、'11年5月、2010年度「アリオン賞」、'16年9月、第14回「佐川吉男音楽賞 奨励賞」、'17年9月「第47回JXTG音楽賞 洋楽部門本賞」、'18年6月「第28回みんゆう県民大賞 芸術文化賞」を受賞。

 モルゴーア・クァルテットの斬新なプログラムと曲の核心に迫る演奏は、常に話題と熱狂を呼んでいる。

 モルゴーアは、エスペラント語(morgaŭa=明日の)に原意を持つ。


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