松下 功
MEMORIAL CONCERT 2021
日時 |
2021年9月16日(木) |
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会場 | ムジカーザ(東京・代々木上原) |
料金 |
全自由席 第1部:一般¥2,000、学生¥1,500、小学生以下¥500 第2部:一般¥4,000、学生¥3,500 通し券:一般¥5,000、学生¥4,000 *通し券はミリオンコンサート協会のみの取扱い |
出演 |
メゾソプラノ/語り:渡邉智美(第1部) ヴァイオリン:長原幸太(第2部) チェロ:黒川正三(第2部) オーボエ:宮村和宏(第2部) ファゴット:依田晃宣(第1部・第2部) ホルン:笠松長久(第2部) ピアノ:土屋律子(第1部・第2部) 〜トーク・ゲスト〜寺田 農、油谷岩夫 |
曲目 |
第1部 松下 功(作詞・作曲)/《3つのヴァリアンテ》(1994) 歌とピアノのための 1.夢の時へ ファゴットのオブリガートとともに 2.秋の葉音に 3.沫雪の舞 松下 功/《ファンタジー》(1971) ファゴットとピアノのための ジャン・ド・ブリュノフ作、プーランク作曲 《象のババールのお話》(1940) 語りとピアノのための 第2部 全曲 松下 功作品 《オプティカル・スコープ Ⅱ》(1991) ヴァイオリン、ホルン、ピアノのための 《葦の舞》(2001) オーボエ・ソロのための 《ティサラーナ》(2008) ー天空の祈りー オーボエ、ファゴット、ピアノのための 《マントラ》(2001) ヴァイオリン・ソロのための 《五重奏曲》(1992) ー映画「屋根裏の散歩者」のための音楽ー オーボエ、ホルン、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための |
[主催] 松下 功 MEMORIAL CONCERT 実行委員会 [チケット取扱い] チケットぴあTEL.0570-02-9999 Pコード200-596 ミリオンチケット(オンライン・チケットサービス) ※ミリオンチケットでのお申込みはセブンイレブンでのお引き取り。 ミリオンコンサート協会 TEL.03-3501-5638 [協力] (株)東京ハッスルコピー [コンサートマネージメント] ミリオンコンサート協会 TEL.03-3501-5638 |
コンサートに寄せて
昨年の9月16日、板橋・安養院の平井ご住職のご好意で、お寺の中の瑠璃光堂という素敵な空間を貸して頂き『松下功Memorial Concert 2020』を開催しました。コロナ禍ではありましたが、学生時代からの盟友・澤和樹氏やベルリン時代の仲間・四戸世紀氏をはじめ、松下と親しかった総勢13名の演奏家が集まり、近年はあまり演奏される事も少なくなっていたソロや小編成の室内楽作品を計15作品聴いて頂き、ご来場くださった皆さまにも、とても喜んでいただけました。今年の11月で松下功は70才になる筈でした。「何か記念になるコンサートを・・・」と言ってくださる方もありますが、この状況で大きな企画を立てることは難しく、また、小編成の作品で是非皆さまに聴いて頂きたいものもまだまだたくさんありますので、今年も室内楽コンサートをと考え、Ob.とVn.のソロを中心にした企画を立ててみました。素晴らしい演奏者の皆さま方にも快諾して頂けて、この様なプログラムが実現でき、本当にありがたく思います。
《葦の舞》(2001)は本日、演奏してくださる宮村さんの委嘱で生まれた作品。《マントラ》も2001年に澤さんに初演して頂いたのですが、長原さんも既に何度も素晴らしい演奏を聴かせてくださっています。笠松さんは《オプティカル・スコープII》(1991)、《五重奏曲》(1992)の両作品初演を私と一緒に行ってくださった方。黒川さんは、昨年の《四重奏曲》(1988)で骨太で素敵な演奏をしてくださり、是非今年もご一緒にとお願いしました。《ティサラーナ》(2008)はこのプログラムの中では一番新しい作品で、今回3人共、初めて演奏するのですがとても楽しみです。
第1部で依田さんと一緒に演奏する《ファンタジー》(1971)は浪人時代に書いた作品で、譜面が汚くて解読するのが非常に困難なのですが、若い作曲家のエネルギー(本人曰く「現代音楽にかぶれていた頃!」)を感じる作品で、今回、依田さんには譜面の整理で大変助けて頂いています。《3つのヴァリアンテ》(1994)の詩は松下本人が書いたもので、3つの詩を元に1994年に全く別々の3つの器楽作品を書いたのですが、ここで一つの作品にまとまりました。そして、プーランクの作品《象のババールのお話》、実はこの作品は松下功の朗読で、どこかの小学校で演奏した事があります。こどもたちが大好きだった功。とても楽しそうに語っていました。そして、功の人生にとって大きな存在のお一人だった実相寺昭雄監督の企画でも何度か演奏させて頂いた、私にとっては思い出深い作品です。渡邉智美さんとは2019年にある小学校のイヴェントでお会いしてから親しくさせて頂いていますが、日本語の発音がとても美しい方で、今回は歌と語り、両方に挑戦 してくださいます。
昨年取り上げた《四重奏曲》、今回の《五重奏曲》共に、実相寺監督の「音楽作品として独立して演奏できる作品を・・・」との依頼で生まれました。今回は監督と長年、親しくお仕事をしてこられた油谷さん、寺田さんにも想い出等を少し語っていただけることになりました。実相寺監督、監督の奥様・原知佐子さんも、功と共に遠くからこのコンサートを見守っていてくれていることと信じて、コロナ禍ではありますが開催できることを祈り準備をしています。快くご協力くださっている全ての皆さまに感謝しつつ・・・
2021年6月 土屋(松下)律子
松下 功(作曲家) Isao Matsushita/Composer 1951.11.23 - 2018.9.16
東京藝術大学、及び同大学院で作曲を南 弘明、黛 敏郎の両氏に師事。
1977年、日本音楽コンクール作曲部門(管弦楽曲)入賞《Diffusion》。79年、DAAD(ドイツ政府学術交流会)給費生としてベルリン芸術大学に留学し、尹伊桑氏の下で研鑽を積み、86年まで当時の西ベルリンに滞在し創作活動を行い、世界各地の音楽祭で作品が演奏される。またこの頃、音楽家、建築家、画家、書家等の友人たちと『東風(Kochi)アンサンブル 音響-絵画 ベルリン』を結成(主宰)し、様々な実験的な公演を行う。
85年、メンヒェングラートバッハ市国際作曲コンクール第1位《時の糸Ⅰ》(弦楽四重奏曲)。86年、入野賞受賞(委嘱賞)、翌87年に《時の糸Ⅱ》(ピアノ協奏曲)初演。帰国後は尚美学園、東京藝大で教鞭をとる。またアジア音楽祭等の企画も多数行う。
97年、オペラ《信濃の国・善光寺物語》初演(長野冬季オリンピック公式文化プログラム)。2000年、ベルリン・フィルの野外コンサートで《飛天遊》(和太鼓協奏曲)が演奏され、全世界に衛星生中継される。03年より東京藝術大学演奏芸術センター助教授(後に教授)として、14年からは副学長として多数の企画公演を実現する。また、日本作曲家協議会、アジア作曲家連盟等の会長も務め、アジア各国との交流を盛んに行った。
09〜10年、オペラ《遣唐使〜阿倍仲麻呂》を、奈良薬師寺・玄奘三蔵院(特設舞台)で初演。12年には、中国での日中共同制作としてのオペラの作曲を進めていたが社会情勢のために中止を余儀なくされ、19年3月、多くの方々のご尽力により、このオペラ《長安悲恋》が遺作初演された。16年、仏教伝導文化賞・沼田奨励賞を受賞。
ベルリン時代から常に「洋の東西・過去と現代」という4つの方向性の融合を試み、様々な分野の芸術家や世界各地の伝統文化・現代の作品等を紹介し、自己の作品にも取り入れていた。また、小・中学生とのミュージカル作曲・公演等も楽しんで行なっていた。
アンサンブル東風主宰。カメラータナガノ、文京区民オーケストラ等で長年、指揮・指導。
出演者プロフィール
■ 渡邉智美(メゾソプラノ) Tomomi Watanabe/Mezzosoprano
東京藝術大学大学院修了。ドイツ、日本歌曲を得意とし、数々のコンサートやオペラに出演。日本声楽家協会会員。啓声会会員。■ 長原幸太(ヴァイオリン) Kouta Nagahara/Violin
東京藝術大学、ジュリアード音楽院に学ぶ。大阪フィル首席コンサートマスターを経て読売日響コンサートマスター。■ 黒川正三(チェロ) Shozo Kurokawa/Violoncello
東京藝術大学大学院修了。東京フィルに入団後ウィーンへ留学、帰国後同団に復帰、1991年より首席奏者を務めた。■ 宮村和宏(オーボエ) Kazuhiro Miyamura/Oboe
東京藝術大学卒業。東響、マリインスキー劇場沿海舞台響など内外のオーケストラ等と共演。現在東京佼成ウインドオケ副コンサートマスター。■ 依田晃宣(ファゴット) Akinobu Yoda/Fagot
東京藝術大学卒業。藝大フィルハーモニア管弦楽団ファゴット奏者。横浜シンフォニエッタ、アンサンブル東風メンバー。■ 笠松長久(ホルン) Nagahisa Kasamatsu/Horn
東京藝術大学卒業。東京都響首席奏者を定年まで務める。2020年10月から新日本フィル契約首席奏者。■ 土屋律子(ピアノ) Ritsuko Tsuchiya/Piano
桐朋学園大学卒業。バロックから現代まで幅広い分野で活動。ピアノ協奏曲『時の糸Ⅱ』他、松下 功作品の初演、再演を多数行った。ミューズ会、Rhyme勉強会を主宰。