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金 洪才〈指揮〉

Kim Hong-Je〈Conductor〉

金 洪才

 1954年生まれ。桐朋学園大学音楽学部卒業。指揮を堤俊作、秋山和慶、小澤征爾の各氏に師事。78年、東京シティ・フィル特別演奏会でデビュー。79年、東京国際指揮コンクールで第2位と、初めての特別賞(齋藤秀雄賞)を受賞。テレビ番組「オーケストラがやってきた」、「私の音楽会」の専属指揮者に選ばれる。東京シティ・フィル、名古屋フィル、京都市響、広島響の指揮者を歴任の傍ら、読売日響、東京都響、新日本フィルをはじめ全国の主要オーケストラに客演。内外の著名ソリストとも数多く共演し、優れたバトンテクニックで常に好評を博してきた。  89年よりベルリンにおいて作曲家、尹伊桑(ユン・イサン)氏の下で研鑽を積む。92年9月には、ニューヨーク・コーリアン交響楽団を指揮し、カーネギーホールでアメリカ・デビューを果たし大成功を収めた。また、98年、長野で開催されたパラリンピック開幕祝典演奏の指揮を務めた。

 2000年10月、ソウルで開かれたアジア欧州会議(ASEM)の祝賀公演に招かれて韓国KBS響を指揮。以後、同オーケストラに度々招かれるほか、韓国響定期演奏会にも出演。04年10月、文化庁舞台芸術国際フェスティバル公演として、ソウル・フィル来日公演を指揮、続くソウル公演にも客演する。

 オペラでは01年10月に韓国《芸術の殿堂・オペラハウス》でヴェルディ「仮面舞踏会」を5夜連続公演し大成功を収めた。03年9月にはひろしまオペラ推進委員会主催による日韓提携公演プッチーニ「蝶々夫人」を指揮、この分野でも着実にキャリアを重ねている。

 07年より韓国・蔚山(ウルサン)市立響の芸術監督に就任。以後数多くの演奏会を指揮し、オーケストラの音楽的レヴエルを飛躍的に高める。12年6月に行われたアメリカ、カナダにおける公演で高い評価を得、更に15年6月に行われたアメリカ公演では、カーネギーホール、国連本部会議場ホールに満員の聴衆を集め、スタンディング・オヴェイションの大喝采を受けた。

 16年6月には、韓国・光州市立響創立40周年を記念した来日公演を指揮し大成功を収め、2016年11月、同響常任指揮者に就任。

 平成10年度渡邉暁雄音楽賞受賞。